(また)僕はトラブルを起こしてしまった

夕食時に母親に怒鳴られた。

『お前がドライブに行こうが遊びに出かけようが構わない。でもいつも行先を言わないじゃないか。何か起きた時にどうするんだ。心配しているのに。今は鬱病だというから氣晴らしになれば良いと思っていたし家の中の事もそこそこで良いと思っていた。でも行先も言わずに出かけるのはいつもだよね。今までただの一度も行先を言わないよね。一言くらい言うもんだろう。それに行ってきますくらい言うもんだろう。それに付き合ってる人と結婚するならしても良いよ何も言わないから。それに組織で働くのが嫌なら一人で働ける準備しなけりゃいけないだろう。解ってる?ならやれよ。解ってるなら…』

 

僕はいつも通り、絶対に反論せずじっと聞く事に徹している。

事の発端は僕が『正直な氣持ちを言えばもう働きたくない。料理など家事も一切やりたくない。ただ死ぬまでじっとして引きこもりになってしまいたい』

と口走ってしまった事だった。『そんな事が認められないのは解りきっているが』と付け加えたが、もう遅かった。

母からすれば僕に立ち直って欲しい一心の言葉だろう。解る。この説教、もちろんしっかり聞く。

それと他者から言われて初めて氣付いた。出かけるときは行先をつげて行ってきますと言わなければ相手を心配させて怒られるのか。親が相手で、しかも今までそうしてきて何も言われないから良いのだ、と思っていた。発達障害ゆえの勘違いと決めつけずに治そう。

 

母に謝った。母はそのまま自室に行った。

 

出かける前の必要事項は言おう。それにしても注意でも意見でも、自分の落ち度を指摘されるのはやはり今の僕には胸に刃物を突き刺されるような氣分になる。

それと、本当に正直な心情は、それが他者の不安や反感を買うものならば、黙って言わないほうが良さそうだ。大事な人だからこそ言わないでおこう。紙に書くなりここに書くのが無難なんだろう。

僕は死ぬまでに後どれだけ他者に怒られるのだろうか。