僕はこんな子供だった。part2

6歳の時、親の都合で親類の家の近くに引っ越した。近所には同年代から2~3歳年上の男の子が住んでいた。彼らが『隠れんぼやろう』というので、隠れんぼというものが何か知らなかったが参加した。

ルールを知らないのだから直ぐ鬼になった。

誰かを見つけても陣地まで走るのが誰より遅いので、また鬼になった。

何度も鬼になるので皆が呆れ始めて言った。『世之介ってバカじゃねーの。』

皆の笑いものになった。

いや、バカも何も、この遊びが何なのかどのようなルールで行われるのか僕は知らなかった。

なので、どうやるの?と質問したが誰もが笑っていた『知らねーなんてばかじゃねーか。』

抗議も抵抗も知らない僕は泣いた。すると今度は『泣き虫弱虫』の合唱が始まる。

尚も教えてよと叫んだが嘲笑しか返ってこなかった。

泣きながら帰宅した。親類の伯母は『イジメられても皆に参加してついていくもんだ。』と言い、皆で僕をバカといって笑うと訴えると『んじゃ何だ?頭良いって言われたいのか?それが何だ?』と言い放ち、げらげら笑って終わりだった。

 

虐げる相手に虐げられても寄り添え。

侮辱されて悔しいから何?

 

人間関係でつまずいた学童(しかも甥)への回答としては見事なほど最低最悪だと今も思う。

それから数年、僕は件の子供たちにもっと酷い目に遭わされる事になる。

いずれの場合も伯母の返答は似たようなもの。実の母はといえば、僕に構っている状況ではなかったため放置。

 

今では彼らのせいで僕の人生が歪んだなんて言うつもりは無い。味方がいない状況で精神的に加害される体験はよく知っている。この後も数年、実際の暴力まで振るわれて続くから。